[ 声明 ]  住民投票の直接請求否決に関する「市民」からの声明

再開発推進を優先し「民意の反映」を拒んだ明石市議会
住民投票の直接請求否決に関する「市民」からの声明
市民みんなで決める住民投票を実現する会
(略称:駅前再開発・住民投票の会)
2012年12月24日

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否決されました明石駅前南地区の再開発事業に市民みんなの意思を反映させるために2万196名の有効署名を添えて住民投票の実施を直接請求したのに対し、明石市議会は11月22日の臨時市議会最終日に反対多数(賛成8、反対19、棄権2)で住民投票条例案を否決しました。

明石市で初めての公共事業に対する住民投票実施を、地方自治法にもとづいて市民が初めて行った直接請求です。自治基本条例で住民投票の実施を定めた市議会が住民投票についての実質的な議論を行わないまま、住民投票の実施に賛成した市長の意見も押しのけて再開発事業の推進を優先させ、“民意反映”の貴重な機会を圧殺したことになります。

私たちは臨時市議会の中で行った30分におよぶ「住民投票実施の意義と議会の責任」を訴えた意見陳述の中でも、この再開発事業のもつ問題点や疑問点を明らかにし、議会がこれらの問題を究明する責任を果たしてこなかったことが、市民自身による住民投票の直接請求を誘因する要因になったことを指摘しました。市民が市政を負託した市行政とそれをチェックする議会がその責任を果たさないなら、市政の失敗のツケを将来押しつけられる市民自身の責任で再開発計画の是非を判断しようとしたものです。

これに対して市議会の再開発推進派の多数派議員は、「駅前地区を放置できない」「議論を尽くしてここまで進めてきたから、戻る必要はない」「住民投票で中止になれば、国や県、事業者らに迷惑をかける」と、再開発ありきの姿勢を露骨に示して、自治基本条例に明記された住民投票の実施や手続き条例をつくってこなかった責任には触れないまま、住民投票に賛成する議員との議論も避けて数で押し切りました。

なかには「住民投票は議会制民主主義を否定する」と地方自治の制度を捻じ曲げた意見をもとに反対する議員もいましたが、多くの議員が「地方自治の本旨」や議会の本質的な役割についての理解が欠けていたり、議会本来の役割を果たす識見と責任意識を欠いている実態を審議の中から感じざるを得なかったのは残念です。

また、自治基本条例にも明記された「住民投票実施」の是非を問う議案にもかかわらず、住民投票を扱う総務常任委員会ではなく、再開発を所管する建設企業常任委員会に付託されました。この委員会にはかつてないほどの傍聴議員が多数出席し発言を求めたにもかかわらず、再開発推進派の議員が発言を制止するなど、議員同士の自由な討論を掲げる市議会には程遠い議会運営が行われたことについても、公正な審議を負託した市民として納得できないものでした。

今回の事態について、市議会は再開発事業の結果に極めて重要な責任を負うことになります。臨時議会は不十分ながらも「再開発集中審議」のような様相になりましたが、私たちが指摘してきた再開発計画の問題点は何一つ解消していません。むしろ、推進派の議員自身が「住民投票を行えば反対票が多数を占めて、再開発が中止に追い込まれる」という危機感を持っていたことを十分伺わせました。そうした危機感から「民意を確認する住民投票」を実施させない選択をしたとすれば、「民意を反映することを拒む議会」とはいったいどのような存在なのでしょうか?

私たちは今後とも、再開発計画と事業の問題点について粘り強く追及し、計画の抜本的な見直しを求めていくとともに、市議会が真に市民の負託に応えられる機能を発揮するよう、一層の議会改革を市民の立場から求めていくことを宣言します。