駅前再開発・住民投票運動の総括 6/7

明石駅前再開発・住民投票運動の総括と新たなる市民自治をめざして
駅前再開発・住民投票・議会改革の課題をあらためて追求しよう
2012年運動の総括 2013年2月15日

  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応(このページ)
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ

常設型住民投票条例づくりへの対応

住民投票は、政策の決定に際して行政や議会が民意を的確に反映するためのプロセスとして、市民の市政への参画手続きのうち最も重要なシステムです。

明石市は3年前に制定した自治基本条例の第14条に「将来にわたって明石市に重大な影響を及ぼすと考えられる事項については、住民が市長に対して住民投票の実施を請求したときは、市長は住民投票を実施しなければならない」と明記しています。同条3項で「住民投票の発議要件、請求手続、投票に付すべき事項、投票の資格要件、実施に関する手続その他必要な事項については、別に条例で定める」と手続条例の制定を規定しているにもかかわらず、条例制定の動きは今回の直接請求まで全く見られませんでした。

これは条例制定を「怠っていた」というよりも、議会の中には住民投票を敬遠、反対する声が根強くあり、その空気を察した行政側も放置していたきらいがありました。しかも、常設型の住民投票条例は一定の要件さえ満たせば議会の議決なしに実施できるだけに、住民投票を避けたい議員にとっては手続条例の制定を先延ばすことによって、実質的に住民投票の実現を阻むことができるという計算が働いていたと容易に推測できます。

そうした思惑に、今回の直接請求は楔を打ち込みました。自治基本条例にもとづく住民投票実施の請求ができなければ、地方自治法による直接請求の手段がある―と踏み切ったからです。直接請求によって、住民投票条例の制定を怠ってきた事実があぶり出され、市長と議会の“不作為”が浮上したのです。選挙中から住民投票の活用について積極的に発言していた泉市長にとっては、法律家である市長が就任後2年間この状態を放置してきた事実に目をつむるわけにはいかず、臨時市議会では「違憲状態」「違法状態」とまで発言し、早期制定を約束せざるを得ませんでした。

ところが、この3月議会で制定したいなどと拙速な行動に出て、議会の猛反発を受けました。早期に制定が必要だといっても、住民が使う市民参画の仕組みづくりに住民が関わらないような進め方は自治基本条例の精神に反し、本末転倒になります。

住民投票条例に関しては、2つのことが重要です。

一つは、条例づくりは市民主導の検討委員会等で十二分に議論し、その提言を受けて条例化する参画のプロセスです。二つ目は、このプロセスを踏襲することによって、条例の中身も住民が実際に使える内容にすることができます。条例はあっても、発議要件等のハードルが高く、実現が困難な要件を定めれば条例は絵に描いた餅になりかねません。

発議の際の必要署名数、投票できる人の資格要件(年齢や在住外国人など)、請求の手続きの簡素化など、「使いやすい制度」にするための十二分な議論が求められます。

「ハードル(発議要件や請求手続等)を低くすると、濫用される」という声もすでに聴かれるが、そのような人たちには住民投票の直接請求を体験した私たちの経験をぜひ聴いてもらいたい。直接請求にはどれほどの時間とエネルギー、そして手弁当で動いても膨大な費用を負担しなければならないか―を知れば、好き好んで「濫用」できるほどの制度ではないことが分かるはずです。

私たちは、この条例づくりに貴重な体験を反映させる責任があると考えます。


  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応(このページ)
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ