駅前再開発・住民投票運動の総括 3/7

明石駅前再開発・住民投票運動の総括と新たなる市民自治をめざして
駅前再開発・住民投票・議会改革の課題をあらためて追求しよう
2012年運動の総括 2013年2月15日

  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯(このページ)
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ

市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯

昨年7月、直接請求の署名運動を始めることを明らかにしてから、議会の再開発推進派議員などから「遅すぎた」「計画に反対なら、なぜもっと早く…」という声が聞かれました。「再開発計画は長い時間をかけて、ここまで進めてきた」とも言っています。しかし、実際の経緯をきちんと辿ってみると、これらの言い分が的外れであることは明らかです。

まず、「再開発計画は長い時間をかけて、ここまで進んできた」という“ウソ”を明確にしましょう。

これはすでに、一昨年(2011年)10月に泉市長に提出した「20項目の公開質問書」でも明記しています。事実経過に即していえば、この再開発計画は2008年4月に市役所に中心市街地活性化プロジェクト(部)を新設し、同年11月から中心市街地活性化基本計画の策定作業が始まってから動き出したものです。ダイエー明石店が2005年8月に閉店してからも、この地区の共同化への動きはありませんでした。再開発計画は実質わずか1年半程度の作業で急きょ組み立てられたもので、「長年にわたって積み上げられてきた計画」という主張は明らかに事実に反しています。

2010年11月に国の認定を受けたのは60ヘクタールにおよぶ中心市街地活性化基本計画であり、再開発計画はその中に盛り込まれた43ある事業計画の一部に過ぎません。再開発事業は、再開発組合が発足して事業計画をまとめ、国の認可を得て初めて具体的に進む事業です。再開発組合が設立されたのは昨年10月、すなわち住民投票の直接請求署名が終了してからなのです。

また、一昨年(2011年)3月に再開発区域の都市計画決定をしていますが、この決定は「事業の決定」ではなく「事業区域の設定」に過ぎません。都市計画決定されてから、事業が予定通り進んでいない事例は枚挙にいとまがないほどあります。道路計画では半世紀前に都市計画決定したあと、そのまま一歩も進んでいない事業は随所にあるほか、都市計画決定された市街地再開発計画は明石市内でも東仲ノ町地区再開発計画は、24年前に決定されたうち事業が進んだのは3分の2のA・B地区だけであり、肝心のC地区は今も放置されたままです。銀座通り南端の本町地区再開発計画は1981年に決定されたまま、30年間放置されています。

こうした動きに対して、この再開発計画に対する疑問を具体的に提起したのは、2年前の市長選挙を前にした一昨年(2011年)1月、市民団体の「明日の明石市政をつくる会」が提案し、市民討議を重ねて市長候補にぶつけた「市民マニフェスト」でした。市長選挙に市民がどう関わるかを議論した中で、市民がどのような明石のまちを求め、どのような市政を期待しているかを、政策集にまとめたものです。市民がつくる、市民の政策でした。

この中で「交通や暮らしの利便性が高い環境住宅都市のまちづくり」の第一課題では、明石港の再生と中心市街地の活性化を掲げていました。たこフェリーの運航再開や砂利揚げ場の移転、明石港一帯の活用と再整備を進める一方、高層マンションや市役所スペースを含む大規模な再開発計画は明石らしい駅前のまちづくりを阻害し市の財政への影響が大きいとして「駅前再開発計画の見直し」を求めていました。

この団体の主催で3月初めに開かれた市長選挙立候補予定者との公開討論会で、その後当選した泉市長は「市民マニフェストに全面的に賛同し、実現に努力する」と、再開発問題も含めて個別課題について熱弁をふるっていました。こうした動きを無視して、市は同じ3月に都市計画決定を行い、新市長のもとで既存計画の大枠を変えないまま進めてきたのです。その後に主張してきた問題点の多くは、市長就任後に市が初めて開いた7月の再開発市民フォーラムで多くの市民から指摘されていました。

また、泉市長就任の前年に、市が中心市街地活性化基本計画をまとめる際にパブリックコメントを行ったところ、6件しか意見がなかったとしていますが、この段階では市民に計画が周知されていないほか、パブコメを行ったのは中心市街地活性化基本計画であり、再開発計画ではありません。再開発計画の全容が市民に明らかにされたのはずっと後であり、泉市長が就任後「市政だより」にカラー4ページの折り込みチラシを入れて全戸配布してからです。

再開発推進派の人たちが口にする「長い時間をかけて議論し、周知してきた…」という実態は、このようなことです。事実関係を誤って理解しているのか、意図的に問題のすり替えを図っているのかどうかわかりませんが、再開発計画が具体化し、市民に知られることになったのは、私たちの反対運動と事実上同時並行で進んできたと言えます。市民の反対の動きは、決して遅すぎたとは言えません。


  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯(このページ)
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ