駅前再開発・住民投票運動の総括 1/7

住民投票01

明石駅前再開発・住民投票運動の総括と
新たなる市民自治をめざして

駅前再開発・住民投票・議会改革の課題をあらためて追求しよう

市民みんなで決める住民投票を実現する会 ※1
(略称:駅前再開発・住民投票の会)
2012年運動の総括 2013年2月15日
  • はじめに(このページ)
  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ

※1…「市民みんなで決める住民投票を実現する会」は2013年1月末で発展改称し、「政策提言市民団体 市民自治あかし」として運動を継承しました。


 はじめに

明石市が計画し、超高層マンションと市役所を中心とした公共施設・業務商業ビルを建てる明石駅前南地区再開発計画に対して、一昨年5月に泉市長が就任して以来市民の大きな反対運動がひろがる中で、私たちは2012年6月に「市民みんなで決める住民投票を実現する会」(略称:駅前再開発・住民投票の会)を結成して、地方自治法に基づき住民投票の実施を求める直接請求運動を行いました。

明石初の直接請求、議会が「民意の反映」を否定

市民が直接請求の署名運動を行い、条例の制定を請求したのは、明石市はじまって以来のことです。3年がかりで2010年4月に制定・施行された明石市の“憲法”である自治基本条例に明記された住民投票の実施を求めたもので、市民の「参画」と「協働」「情報の共有」を市政運営の大原則に掲げた基本条例に基づく市政のありようを、大規模開発事業に際して求めたものです。

署名の呼びかけに対しては、1600名を超える受任者、8月25日~9月24日までの1カ月間に直接署名を得たのは2万1066筆、10月30日に市長に本請求した有効署名数は2万196筆にのぼりました。当初めざした3万~5万の署名数には遠く及びませんでしたが、有効署名数は法定要件の4.2倍を超えました。

残念ながら、市議会の再開発推進派は市民参画の重要な仕組みである住民投票の可否について踏み込んだ議論を避け、再開発の推進を図るために「民意の反映」を拒否するという恥ずべき結論を選びました。民意を反映するために選ばれた議員が「住民投票を行えば(再開発反対が多数を占めて)再開発をできなくなる」という懸念から「民意の反映」を拒否するという、議会と議員の存在意義を自ら否定しその職責を放棄する選択を行ったことになります。

2年前の市長選「市民マニフェスト」と自治基本条例の実行

私たちが駅前再開発問題に注目し、超高層マンションを含めた大規模再開発に違和感を感じて計画の抜本的な見直しを求めたのは、ちょうど2年前、市長選挙を前にして「市民マニフェスト」をまとめたことに始まります。「市民がつくる市民の政策」である市民マニフェストの中に、計画の抜本見直しは重要政策の一つとして盛り込まれ、市長選挙に立候補表明していた泉房穂氏は公開討論会で私たちの市民マニフェストに全面的に賛同し、実現に努力すると約束していました。

今回の住民投票の直接請求は、税金のムダ遣いと将来の行財政への圧迫を懸念する市民が、その後の変遷の中で形ばかりの計画見直しにとどまり大規模開発を推し進めようとする市と市議会に突きつけたものでした。新市長のもとで約1年間にわたって計画の具体的な問題点や疑問点を明らかにし、市に納得できる説明を求めてきましたが、市民の「参画」と「協働」「情報の共有」という市政運営の原則を踏みにじる対応を市は重ねてきました。住民投票は、行政や議会が主権者である住民の意思を反映させない際に、住民が権利として保障されている直接民主主義のもっとも重要な仕組みでもあるからです。

再開発・住民投票に議会改革を加えて、市民自治めざし再出発

住民投票が市議会によって否決されても、駅前再開発問題は何一つ解決していません。むしろ、民意を反映するという手続きさえ踏みにじって、市民の反対を押し切っても推進しようとする再開発計画に対する疑念が一層膨らみました。市長が民意を反映する住民投票の実施に賛成したにもかかわらず、これを否定して議会が独自の判断で再開発推進を図るなら、事業の結果招来する事態の責任は推進派議員が退任後もその責任を負わねばならないことを意味しています。

私たちは、第一に、住民投票が行われていれば圧倒的多数の市民の反対で計画の抜本的な見直しに迫られたであろう再開発計画について、山積する問題点や疑問点についてさらに追求し、議会の責任も追及していきます。

第二に、新たに市議会の在り方を市民の立場から明らかにし、その改革の方向についても市民が積極的に関わっていく必要を感じました。明石市議会はいま、議会基本条例制定の議論を続けていますが、市民アンケートや意見募集、報告会を行うだけでは、議会改革への市民参画は不十分です。自治基本条例は当然ながら議会も市民参画の対象としたものであり、改革プロセスに市民の参画を具体化しないような改革はその中身に期待できません。市民と真摯に突っ込んだ意見交換のできる場をつくることが不可欠です。新しく出発する市民自治をめざした運動は、議会改革と議員の資質向上も大きな目標とすることになります。

第三は、理不尽な議会の壁に「民意の反映」が妨げられることのないよう、速やかに常設型住民投票条例を市民が使いやすい中身で施行するよう求めていくことも重要です。自治基本条例第14条では「住民が市長に対して住民投票の実施を請求したときは、市長は住民投票を実施しなければならない」と義務づけています。しかしながら、同条3項に定めた手続き条例の制定を市も議会も放置してきたために、今回はせっかくの自治基本条例にもとづく住民投票の請求ができなかったわけです。仕方なく、地方自治法に基づく直接請求を行ったわけですが、議会の同意が必要であったために実現しませんでした。

すでに泉市長は「違法状態」にあることを明言し、早期に住民投票条例をつくることを明らかにし、市民の意見募集も始めています。住民投票条例は制定することも大事ですが、市民が使える中身にすることがより重要です。市民が発議する際の署名数の要件など、現実的な要件を備えることはもちろん、条例づくりに市民の徹底的な参画が不可欠です。私たちは、明石市で初めて住民投票条例案を策定し、実際の署名活動に取り組んだ団体として、積極的に提言していきたいと考えます。

こうした取り組みを通じて、明石市において名実ともに自治基本条例に掲げた市政運営の原則が履行され、市民が主体の市政とまちづくりが行われていくように、多角的、継続的に市民自治をめざした活動に取り組んでいきます。そのための市民団体として、今日から再出発します。

以下、半年間の住民投票運動、「市民マニフェスト」を発表して市民自治をめざしたこの2年間の運動を振り返り、その特徴と課題を具体的に総括し、今後の活動方針を補強します。


  • はじめに(このページ)
  1. 住民投票直接請求運動の経緯と課題
  2. 市民マニフェスト運動と駅前再開発問題の経緯
  3. 駅前再開発の問題点と解明、追求するべき今後の課題
  4. 議会改革への取り組み
  5. 常設型住民投票条例づくりへの対応
  6. 市民自治をめざした新たな市民活動の展開へ