明石市自治基本条例

>> 明石市自治基本条例市民検証会議 2015.10.8より開催中

明石市自治基本条例は2010(平成22)年4月1日より施行されました。
この条例策定にあたっては、「市民自治あかし」の前身「自治研あかし」が市民政策提言団体として取り組んできました。

自治基本条例リンク


自治基本条例施行から5年


◇条文と逐条解説

以下この条文と逐条解説は、明石市が発行している「明石市自治基本条例逐条解説」を典拠として再編したものです。読みやすくするために改行変更・文字強調などを加えています。したがって、紙に印刷された条文等と同一ではありませんが、文言は同一です。条文を引用するなどのときは、典拠元を参照するなど取扱いにはご注意ください。

写真などのイメージは条文およびその解説とは関係なく、親しみをもたせるため当会にて挿入しました。

前 文
遠く万葉の昔から歌人たちに愛され、源氏物語の舞台として登場するわたしたちのまち。明石城に登れば、明るい瀬戸内の海に淡路島が迫り、明石海峡大橋を望む、海の幸にも恵まれた“ゆほびか”な風土。近代化の幕開けとともに日本標準時のまちにも定められました。これらはすべて、わたしたちのほこりです。この明石のまちを、いつまでも暮らし続けたい、もっとほこらしいまちにしたいと願って、わたしたちは明石市自治基本条例を定めることにしました。もちろん、これまでも、暮らしていてよかったと思える、安全で安心に暮らせる豊かなまち、人をいたわり互いの尊厳や人権を大切にし、自然をいつくしむ優しさにあふれたまちを目指してきました。全国に先駆けて「コミュニティ都市」宣言をし、コミュニティづくりにも力を注いできた先人の努力をわたしたちは知っています。しかし、こうしたまちづくりの取組をさらに深化させ、質を高めるためには、市長・市役所や市議会などだけでなく、場合によってはわたしたち市民がもっと積極的に役割を分担し、かかわっていくことも必要になってきています。大切なのは、これからの「明石の自治」の主体となっていかなければならないのは、わたしたち市民だという意識です。明石に住む。明石で働く。明石で活動する。わたしたちがこうあってほしいと望むまちに、みんなで力を合わせて挑戦していく決意と行動が、新しいまちづくりのきっかけになっていきます。

明石市自治基本条例は、市民主体のより質の高いまちづくりを実現するために、市民による「参画と協働のまちづくり」と、よりよい公共サービスを受けることができる「市政運営の実現」という、明石のまちづくりを担う全員が共有しなければならない最も大切なことを定めた、「明石の自治」の指針となるものです。

この条例が、豊かで優しさにあふれた、これからもほこりに思えるまち明石を築く大きな一歩となることを望みます。

(注) 「ゆほびか」とは、ゆったり豊かなさまをあらわす日本の古語で、「源氏物語」にも登場しています。

【解説】自治基本条例を制定する想いなどを、できるだけ分かりやすく表現するために、前文を置いています。前文には、次のことを盛り込んでいます。
①明石の風土や文化・歴史に触れること
②目指すべきまちの姿を明らかにすること
③自治の前提となる人権の尊重を踏まえること
④コミュニティづくりの取組みを強調すること
⑤市民主体の自治であるべきこと
⑥市民・市長・市議会が協働していかなければならないこと
⑦自治基本条例の意義を述べ、制定する決意を宣言すること第1段落は①、第2段落は②を、第3段落は②、③と④、第4段落は⑤と⑥、第5段落は⑤、第6段落は⑦、最終段落は②を表現しました。明石市では、1975年(昭和50年)に「コミュニティ元年」を宣言するとともに、「コミュニティづくり」を市政の基本理念に掲げて、地域の拠点となる「 コミュニティ・センター」を順次整備するなど、コミュニティ行政に力を入れてきました。地域においては、さまざまな地域課題の解決に向けて、市民主体で様々な活動を進めていますが、市も、①地域に出向いて、タウン・ミーティングや出前講座を実施して、市政情報の提供や市民との対話を行い、市民ニーズの把握に努めたり、②小学校区を単位としたまちづくりを推進するため、地域と話し合いを重ねながら、順次、小学校区コミセンの施設の整備等に取り組むなど、参画と協働によるまちづくりへの基盤整備を推進しています。「市民自治を充実させるために、参画と協働によるまちづくりを推進すること」を中心に、「より良い公共サービスを提供していくことができる市政運営を実現すること」を合わせた2つの考え方が、これからの「明石の自治」にとって最も大切なことを前文に示しています。なお、前文は、市民に分かりやすく、親しみやすいように「です・ます」体で表しています。条文の文体については、規定内容に紛れがないように通常の条文の表記である「である」体で表しています。
逐条解説イメージ01
第1章 総 則
(目的)第1条
この条例は、明石市における自治の基本原則を明らかにし、自治を担う主体の権利、責務等を明確にするとともに、市政に関する基本的な事項を定めることにより、市民自治によるまちづくりを推進し、もって「明石の自治」の実現を目指すことを目的とする。 【解説】なぜ条例を作るのか、その目的を定めるものです。自治基本条例は、自治の基本原則を明らかにし、これを具体化するための自治の主体である市民の権利と役割、市議会及び市長等の果たすべき責務を明らかにすること、また、市政運営の基本的な事項について定めることにより、市民自治によるまちづくりを推進し、「明石の自治」の実現を目指そうとするものです。
(定義)第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 【解説】定義規定は、条例中に用いられる言葉の意味をあらかじめ定めて、解釈上の疑義をなくすために設けるものです。
(1) 市民
市内に居住する者(以下「住民」という。)、市内で働き、若しくは学ぶ者又は事業者等をいう。
〈第1号〉この条例では、できるだけ幅広く市民をとらえることとし、市内に居住する者のほか、市内で働き、学ぶ人、また、事業者等も含めています。
「市民」については、市政への市民参画、協働のまちづくり、情報の共有の場面ごとに、その範囲は変わります。住民投票制度のように、市内に居住する「住民」に限定される場合もあり、この条例では、「市民」と「住民」を区別して用いています。
(2) 事業者等
市内において、事業活動又は市民活動を行う者又は団体をいう。
〈第2号〉「事業者等」とは、市内に事務所等を置いている、いないにかかわらず、ある
いは営利・非営利の活動を問わず、市内において事業活動を行う者やそこで働いている人たち又はその団体、あるいは、自治会などの地縁による組織やボランティアやNPOなど分野(テーマ)ごとの組織などで活動を行う者又は団体を指しています。
(3) 市長等
市長その他の執行機関( 教育委員会、監査委員、選 挙管理委員会、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会)をいう。
〈第3号〉「市長等」は、地方自治法上の執行機関を指しています。明石市では、市長の
ほか、教育委員会、監査委員、選挙管理委員会、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会(地方自治法第180条の5)が執行機関として市の行政を担っています。なお、地方公営企業の管理者及び消防長は、特別の法律に基づく権限を有していますが、地方自治法上、独立した執行機関ではなく、長の補助機関であるため、市長に含めています。
(4)
市議会及び市長等によって構成される基礎自治体としての明石市をいう。
〈第4号〉この条例において、「市」とは、地方自治法第1条の3及び第2条第3項に定める基礎自治体としての明石市を指しています。具体的には、市民が参画や協働を行う相手となる市議会と市長等を指しています。
(5) 参画
市の政策等の計画段階から実施、評価、改善に至るそれぞれの段階において、市民が主体的に関わっていくことをいう。
〈第5号〉「参画」とは、市の政策等について、計画(Plan)を策定し、計画に基づ
いて総合的・計画的に実施(Do)するとともに、常に検証・評価(Check)して、改善・見直し(Action)を行っていく循環(PDCA)のサイクルの各段階において、市民が主体的に関わっていくことをいいます。
(6) 協働
市民と市、市民同士が、それぞれの知恵や経験、専門性などの資源を生かし、尊重し合いながら、果たすべき役割と責任を自覚し、共に考え、共に力をあわせることをいう。
〈第6号〉「協働」とは、より良いまちを築きあげていくために、市民と市、あるいは市
民同士が、お互いを尊重し合いながら、それぞれの果たすべき役割と責任を自覚して、共に力をあわせることをいいます。
次ページにつづく→