2019統一自治体選挙 in 明石 なぜ? なぜ?

Q1 市長選挙は終わったばかりなのに、なぜまた選挙なの?

[A] 本当に「なぜ?(また選挙なの?)」ですね。

 4月14日に告示される今回の明石市長選挙は、もともと泉市長の任期が4月30日で終わるために、統一自治体選挙の後半戦で市議選とダブルで行われる予定でした。

 ところが1月末に同市長の職員に対する暴言問題が明るみに出て、2月初めに突如辞職しました。公職選挙法の規定に基づき50日以内に選挙を行わなければならないことから、3月17日に市長選挙が行われました。

 辞職した市長があらためて選挙に立候補して当選した場合、前任期の残り期間しか認められない規定が公選法にあることから、わずか1か月を経ずして再選挙になります。

 この規定は、市長が自分の都合で有利に選挙を行うことを制限するために設けられました。任期満了が近づいた市長の恣意で、対抗馬の準備が整わないうちに選挙を行って有利に展開することを防ぐためです。しかし、今回のように、いったんは窮地に立った現職市長が辞職によって世論の風向きを有利に転換し、圧勝。再選挙で対抗馬が出ない情勢をつくり、結果、無投票になるような事態になれば、歯止めになりません。

 また、今回の大阪府知事×大阪市長が、入れ替わってダブル選を仕掛けるようなやり方をすれば、辞職&再選挙による首長の有利な展開に歯止めは利かなくなります。

2019統一自治体選挙を考える in 明石
まこと流まちづくりの地平 2019.03.30 自治体議会選挙 投票率低下の「悪循環」=要因はどこに?2019.03.30「繰り上げ明石市長選を考える」のシリーズ名を変更し「2019統一自治体選挙を考える in 明石」としました。テーマの幅を広げた論評とします。2019....

Q2 ほかに立候補者がいるの?
無投票だったらお金がかからなくていいじゃない!

[A] 泉市長は3月17日の選挙で当選した直後の記者会見で、再選挙に立候補することを表明しました。大差で敗れた北口氏は「敗北」を認めたうえで、統一選の前半戦で行われた県議選に立候補して帰り咲きました。現時点(4月11日)では、ほかに立候補の動きはありません。

 無投票になるかどうかは、14日告示日の立候補届け出が締め切られるまでは分かりません。

 ほかに誰も立候補しないようなら、駆け込みで立候補があるかもしれません。

 したがって、立候補を表明している泉氏は届出と同時に選挙活動を開始します。「無投票」は《選挙がなくなる》のではなく、対抗馬がないことが確定した時点で「無投票当選」が決まるので、投票日を待つことなく「当選」が決まるということです。

 告示の日には、投票用紙の印刷か終わっており、候補者ポスターの準備も完了し、選挙カーも稼働しています。すなわち、選挙管理委員会が支出する選挙費用や候補者が使ったうち公費負担分は支出されます。無投票になっても選挙費用は発生します。今回は市議選とのダブル選挙ですから、投・開票事務は行われます。「無投票だったらお金がかからない」というのは、全くの誤解です。

 市長選を《2回も行う費用を支出しない方法》は、目前の統一選日程が承知されているはずですから、①辞職せずにその選挙で信を問うか、②辞職するにしても“繰り上げ選挙”を行わなくてよいタイミングを計算することです。

Q3 候補者が泉氏一人なら、
公開討論会を開く意味がないのではないですか?

[A] 市民自治あかしが市長選挙に際して「立候補予定者による公開討論会」を開催するのは2011年、2015年に次いで3回目です。今春は市長選挙が2回行われますから、3月2日の公開討論会を数えると13日に開く公開討論会は4回目になります。

 市民自治あかしが開催する市長選挙の公開討論会は、「市民マニフェスト公開討論会」と呼んでいます。一般に行われている公開討論会は、主催者から質問はしますが候補予定者の政策や考え方を聞くことが中心ですが、市民自治あかしの公開討論会は少し異なります。

 事前に選挙の争点となる政策課題を抽出し、市民が望むまちづくりや政策や市政運営の方針を提示し、候補予定者がそれらについてどう考えるのか、あるいはどのように実現するのかを聞く会です。すなわち「市民と候補予定者が市民マニフェストについて討論する」場と位置づけています。

 したがって、場合によれば候補者が一人の場合でも討論会は成り立ちます。現に、2011年の公開討論会では予定していた立候補予定者の一人が出席しなかったために、もう一人の候補予定者だった泉氏一人と主催者側で討論を展開しました。

 2015年は立候補者3名のうち、一人が当日になって出席しなかったために、出席した2名と討論しました。

 今回の討論会は、さらに重要な意味合いがあります。

 3月の公開討論会には、事実上の現職だった泉氏が「(暴言問題で)謹慎中の身であり、その立場にはない」と出馬表明もせず、討論会にも出席しませんでした。討論会開催の直後から出馬への動きを始めて、告示日間際になって立候補を表明し、選挙中もほとんど政策論争のないままに選挙が行われました。

 圧勝したとはいえ、選挙に際して政策が明示されず、選挙公報もないままに市長が決まるという異例の展開になりました。「市民自治のまちづくり」を掲げる自治基本条例を施行して10年になる市としては、残念な選挙に終わりました。

 1カ月後に行われる再選挙でも「市民に政策が提示されず、市民の疑問に答えることのないままに向こう4年間の市長が決まる」という事態は避けねばならないと考えています。

 しかも、選挙は無投票に終わる可能性もあるなら、なおさら市長の考え方や政策について市民とひざを交えて議論する機会の重要性が一層大きくなります。

 ぜひ、多数の市民の皆さんが公開討論会に出席して、直接市長の考え方を確かめてください。