【報告】 議会運営委員会の請願審査 2016.6.28

議会基本条例に定めた「議会報告会」の充実した開催を求める請願は、6月28日開催された明石市議会の議会運営委員会で審査されました。

委員会審査では、未来市民、共産党、民主連合の3会派4名の議員が「議会基本条例に基づく当然の請願なので、採択すべきだ」と主張したが、保守系最大会派の真誠会と公明党の議員4名が明確な理由を示さないまま「採択に反対」し、賛否同数になりました。そのうえで、真誠会所属の辰巳委員長は「委員長裁決」で「不採択」を決めました。この際、委員長が「不採択」に決した理由は、一言も発言なしでした。

30日開かれた最終本会議では、辰巳委員長は委員会審査の結果を報告しましたが、「可否同数のため委員長裁決により不採択とする」とだけ記した「書面記載の通り、不採択と決しました」と報告しただけで、最後まで「なぜ不採択か?」の理由は説明されませんでした。

本会議では、未来市民の永井俊作議員が反対討論に立ち、請願の趣旨の正当性を述べ、「行政課題が山積する中で、議会が市民と意見交換する場を保障していくことは必要であり、議会基本条例に謳われていることだ」と採択を求めました。ここでも、請願採択に反対する議員は一人も討論に立たないまま採決に入りました。

採決では、未来市民と共産党、民主連合の3会派計12名の議員が採択に賛成しましたが、真誠会(議長を除く9名)と公明党(6名)、一人会派の家根谷敦子議員と大西洋紀議員の計17名が反対し、請願は不採択になりました。

昨年6月以来、議会改革等に関する請願は5回目ですが、今回は民主連合の賛成で賛成12、反対17とより拮抗することになりました。

議会運営委員会での審査の傍聴記は、下記の通りです。

(1) 国出拓志議員(公明党)

国出拓志議会活性化推進委でしっかりと議論していけばいいテーマだ。請願書を出して、“結論ありき”のような形で進めるのには賛成できない。

※コメント>> 議員が考えているから市民は黙れに等しい。請願を採択して「結論ありき」で  拘束し、その範囲で活性化の議論をすればよい。議会基本条例や自治基本条例 を無視するもので条例違反の発言。

(2) 松井久美子議員(公明党)

松井久美子「同じです」と発言をパス。

※コメント>> 同じ会派なら意見は同じなら、公明党の議員は一人いれば事足りることになる。税金の無駄遣い?

(3) 辻本達也議員(共産党)

辻本達也請願は基本条例に沿ったもので、反対するべきことはない。

請願趣旨の通りの議論を(基本条例)策定過程でしてきた。議会報告会は、議会の都合ではなく、市民の都合を考えて開かねばならないという議論があって、基本条例ができた。これを踏まえて(議会報告会は)開催を検討するべきだ。

(4) 中西礼皇議員(未来市民)

中西礼皇請願者に対し2つの質問を行った。

  • 質問1
    議会は(議会報告会を)試行錯誤しているが、人が集まらない悩みがある。どうすればいいと考えているか?

    • 松本(請願者)
      市民は議会の本会議も委員会の審議も、聴いていて面白くなければ、傍聴するのに足が遠のく。議員の皆さんは30人居れば、30の意見があり真っ向から対立する意見もあるのだから、どのように意見が異なるのかを丁々発止で市民に見せてくれなければ、傍聴や報告会に行っても面白くないので、行かなくなる。試行期間の2年間は初めてのことで、興味関心もあったからたくさんの市民が参加したが、基本条例施行後は、請願趣旨で述べたように市民の関心を呼びにくい形や運営を行ったから、参加者が少なくなるのは当然だ。
      議会は、市民に関心を呼ぶ、面白いと押しかけるようなやり方や中身を工夫しないと、市民はそっぽを向く。開催方法についても、市民の意見をよく聴く機会をもち、創意工夫するべきだ。
  • 質問2
    常任委員会ごとに行っている意見交換会については、どう思っているか?

    • 松本
      常任委員会ごとにテーマを設定し、市民に報告して意見交換会を開くのは大賛成だ。各委員会は、定例会ごとに、多様な市民や団体と意見交換を開催することは、議会の活性化にとって大事なことだ。ただ、委員会ごとの意見交換会は委員会の当然の責務であり、基本条例に定める議会報告会とは別のことではないか。議会報告会は、基本条例の趣旨に基づき、委員会の意見交換会に関わらず、開催すべきで、委員会の意見交換会を議会報告会に代えるのは筋違いで、すり替えだ。

(2つの質問に請願人が答えた後)
請願項目1と2には、賛成。議会が現在やっていることは肯定したうえで、さらに充実を求めている請願なので。採択に賛成。

(5) 永井俊作議員(未来市民)

永井俊作議会基本条例の制定過程に遡り、「議会のあるべき姿」「議員のあるべき姿」に書かれた通り、議会報告会は「市民に開かれた議会」「市民に積極的に情報を発信し、情報の共有を進める」「説明責任を果たす」ために、「市民と議会が自由に意見や情報を交換する場」として、大事な仕組みだ。

市民と議会が双方向で情報を発信、共有していくことが大事で、「議会の見える化」を進めていくうえでも、議会報告会は大切な場であり、市民と議員の信頼関係を構築していくうえでも大事だ。請願の採択に賛成です。

(6) 宮坂祐太議員(民主連合)

宮坂祐太請願の内容に賛成、採択に賛成です。

(7) 三好宏議員(真誠会)

三好宏冒頭に、「共産党は議員団長が紹介議員になっているが、永井議員は個人として紹介議員になっているのか? それとも会派の代表として紹介議員になっているのか?」と、永井議員に質問。

永井議員は「意味が分からん。会派として紹介議員になっている」と答え、同じ会派の中西議員が「紹介議員が幹事長であるかないかは、関係がない。意味のない質問だ」と牽制した。

このあと、三好議員は「委員長に許可を得て質問している」と意味不明の発言をしてうえで、以下のように発言した。

「真誠会の総意としては、請願に反対だ。2011、2012年度の参加人数は、場所や時間を変えて開いたが、毎回同じ人が発言しているのがいいのかどうか? 参加人数の多寡が、善し悪しの基準にはならない。そんなことも踏まえて、試行錯誤しながら合意したのが今の形だ。議論しながらやっているので至当だ。請願の本文中に書いているようなことなら、賛成できない」

「(回数は)2回以上、今もやっている。(今後は)基本条例の改正も含めて判断すべき内容だ」

※委員長の指揮が悪い、鈍い>> 試行中の参加人数実績をとりあげ「参加人数は指標でない」という暴言。「参加しやすいかどうかは考慮する必要なし。現状でよい」も、問題発言。さらになおも「議会基本条例の改正も含めて検討が必要」とは、語るに落ちる。

(8) 坂口光男議員(真誠会)

坂口光男議員自らが考えて取り組んでいくべき内容だ。市民の負託を受けた議員として、一番大事なことだ。

一つの意見として拝聴するが、2名の紹介議員を立てて、請願することに違和感を感じる。請願としては(採択に)反対だ。

※コメント>> 請願の内容は「一つの意見として認めるが、違和感がある。だから、反対」。こんな発言を委員会でする議員の資質を疑う。

請願人の陳述と事務局の説明がすんで、質疑に入ってからここまで29分。辰巳委員長が採決を宣言し、賛否それぞれ4名の同数になり、委員長がそれを宣言して、委員長裁決で「不採択」をとちりながら宣言し、閉会した。辰巳委員長は、「不採択」を選択した理由については、一言も説明しなかった。

事務局の見解について

過去の経緯を説明するくだりで、再三「……と記憶している」と繰り返した。

記憶で説明することは適当でない。記憶という名の意見を差し挟んでいる。記憶は「充実」の補強に使われている。委員長の都合に合わせた説明(代弁した意見)だ。

「フィードバック」という言葉が聞こえたとき、一瞬なんのこと? と思ったが、非公開で行った常任委員会の意見交換会を2月の議会報告会で報告したことを指してのことらしい。テーマ別で市民を分けたり、非公開にしたことをごまかした表現ではないか。

まさに、議会報告会は議員のためにあり、議会の采配によって市民がそのおこぼれをいただくという仕組みだということを、いみじくも「事務局見解」で述べたわけだ。

事務局見解の説明(意図的発言)にもあったが、「特定の参加者の発言によって、他の発言者に発言の機会がなかった」としたが、市民の発言の機会をどうつくるかの議論をするのでなく、市民の発言機会を締め出すことで運用しようとする考えになる。

そして、今回の請願を封じ、つまり、市民意見を封じ、議会基本条例の改悪を目論む中で、市民から見えにくい活性化推進委員会で後始末しようとしていると見える。

(山田利行・記録 2016.7.6)