“傍聴記” 生活文化常任委員会担当の明石市議会報告会 2015.10.20 山田利行

まず最初に断りを入れます。議会報告会は議会活動を市民と共有する場のはずです。議員(議会)が職務活動を報告し、それを聞いた市民が議員と意見交換する場でしょう。しかし、きょう行われた報告会は、市議会棟の大会議室で行われ、入場する際に、議会傍聴と同じ用紙に住所・氏名・年齢を書かされた。私たちに用意された席は、いつもの傍聴者席。会議を行う前方にはほぼ正方形に机が並べられ、一辺10人が座れる。私たちからみて真正面席、真一文字に、議会生活文化常任委員会の委員(議員)が座る。左手側は、議会用語でいう理事者席。きょう話題になる関係部局や大学の先生たちが座っている。残りの2辺に「市民」が20人。(ただし、すべての席を人が埋めていたかどうかは未確認) その正方形に座っていない私たち市民は当初から発言を予定されてなく”傍聴者”の扱いでした。だから、悔しいが、これは「”傍聴記”」です。

開会前の会議室。議員TさんがFacebookで公開していた写真を拝借しました。
市民席には、お茶も配られている。”傍聴者”市民にはありません。

生活文化常任委員会が担当する議会報告会にはテーマが設定されていて、それは「買い物不便地の解消に向けた移動販売について」でした。(以下、傍聴記を手短にするため、発言は順不同です。発言者氏名は記録できなかったのでABCを順にふった)

大久保地区山手台のある自治会の会長Aさんは、坂道の多い地形でスーパーが撤退した経緯もあり高齢者にとって買い物の不便さは切実だと訴えた。地域住民の要望に応えるかたちで、市商工労政課は、明石商業高校や流通科学大学商学部の協力を得ながら今年6月より「買い物不便地の緩和に向けた移動販売実験プロジェクト」を進めている。そのプロジェクトの概要説明が市当局よりあった。

議員は、これについて行政視察を実施しており、東京都練馬区に出かけた。議員の報告によれば「失敗例」だという。なぜ失敗したのか、マイクを交代しながら議員が首をかしげながらしゃべる。他方、市民の意見でBさんは、徳島で成功している事例があるという。発言者を忘れてしまったが、Cさんは、こうした買い物不便地は全国に蔓延している、という。だったら、なぜ成功例ではなく「失敗例」を視察し、今なぜ目前で首をかしげるのか。

市民Dさんが視察した議員に質問した。「明石の山手台や長坂寺」と「東京練馬の北町や石神井」を人口で比較するとどの程度か? つまり、同じような規模や環境でないと参考に出来ないのでは? この人は、全国で成功しているのをきいたことがない、いうような発言要旨だった。私は思うに、成功例で説明していれば(規模や環境が違っても)期待する気持ちにさせるが、失敗例を提示されたものだから、地域の事情でそれぞれに違うものを失敗例で議論しても意味がないということだろう。議員のEさんは、10人いたら10人、生活のしかたが違うからそれぞれの事情にあわせるしかない、とも言った。(人口の比較については視察に行った者同士顔を見合わせ、あきらか苦笑い。即座に答えられず、しばらくして何かで調べたのでしょうか、その場で報告された)

議会報告会の評価ポイントとして、行政視察報告をしておきながら、議員は点数を稼げていないのではないか。視察地候補をどのようにして選んだのか、尋ねてみたいところだ。

市民Fさんが、たこバス運行で意見を言うと、生活文化常任委員会は所管でないと議員が返答した。市民Gさんは、たこバスは買い物不便と関係しているのだから、一緒に考えてもらわないと困ると言えば、別の議員(複数)が市民Gさんに同意する姿勢を示し、「議員個人の考え」と断った上で発言した。

常任委員会ごとに行う議会報告会の場合、テーマ設定は担当分野であっても、市民と向き合うときは議会の縦割りを市民に押しつけてはいけないでしょう。たこバスを扱う委員会と調整をつける、議長が采配をふるう。そういうふうに考えないのですかね。

司会の穐原議員は、議会には執行権がない、市長に提言することはできます、と意見交換の始まる冒頭に言った。どういう意味か? この場で市民から意見を聞いても「はい、やります」と約束のようなことは言えないと予防線を張ったつもりだろうか。提言の前に、予算の審議権が議員にはあるでしょう。条例をつくる立法権もあるでしょう。

私のメモでは、発言した市民は8人。司会が「予定時間が来ました」と進行し、(どうせ時間ないわ)と発言を我慢した市民は多かったのではないでしょうか。市民Hさんは、市当局の熱意は伝わってきているが、予算がつけられ確かに実行されるのか不安だ、と言った。議会報告会というより行政のプロジェクト説明に議員も加わった、というのが私の感想です。